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PS5発売したけど、本当にPS5でいいの?PS5が微妙な訳と今買うべきではない理由。

PS5のイメージ画像
本日11月12日、ついにPS5が発売されました。
PS4の限界を感じていて、早く次世代機が欲しいという人も多いのではないでしょうか。
しかし、本当にPS5はすごいのか、買うべきなのか、事前の情報に踊らされていないか、今一度確認しておきましょう。

PS5の性能は20万円のゲーミングPC並みは嘘?

ゲーミングPCのイメージ画像
PS5の情報が発表されたときには、Twitterを中心に「RTX2080相当」や「20万円のゲーミングPC並みの性能」などと噂されていたのを見た人も多いでしょう。
その情報を見て、PS5はすごいんだ、と思った方も多いと思います。
しかし、実際のPS5の性能はそこまで高くないでしょう。
その理由を解説します。

RTX2080相当の根拠は「FLOPS」の数字だけ!

RTXのイメージ画像
RTX2080相当と言われていた根拠は、「FLOPS」という演算性能を表す一つの指標がもとになっています。
これは1秒間にどれだけ浮動小数点演算を出来るかという指標なのですが、PS5の性能は10.3TFLOPSと発表されています。
対してRTX2080は10.0TFLOPSとなっており、確かにこの数値を見るとRTX2080相当と言えます。


しかし、実際には「FLOPS」の値を単純比較することは出来ません。
この数値はかなり単純な指標であり、ベンチマークなどのような複雑な処理性能をはかるものではありませんし、実際のゲーム性能が分かるわけでもありません。
というのも、RTX2080はNVIDIA製のGPUであるのに対し、PS5のGPUはAMD製のGPUを採用しています。
同じ設計のGPU同士でこの数値を比較することは出来ても、設計が全く異なるGPU同士で比較することにあまり意味はありません。


そして、AMD製のGPUで10TFLOPSに近い数値のGPUにRX 5700 XTがありますが、このGPUの実際のゲーム性能はRTX2070~RTX2070Superあたりになり、RTX2080より下のグレードのGPUになります。

そもそもRTX2080自体2年前のGPUで、最新のGPUと比較すると大した性能ではない

RTX2000シリーズとRTX3000シリーズの比較画像
RTX2080は世代が変わるまではハイエンドGPUの部類でした。
しかし、NVIDIA社のGeForceは「RTX3000シリーズ」、AMD社のRadeonは「RX 6000シリーズ」を発表し、RTX2080は旧世代のGPUとなりました。
RTX2080の性能は、現在発表されている最新シリーズの最下位モデルにすら全く歯が立たないレベルの性能です。
現状はRTX3000シリーズ、RX 6000シリーズともにミドルハイ~ハイエンド帯のGPUしか発表していませんが、近いうちに両シリーズのミドル帯以下のGPUも登場するでしょう。
そうなると、RTX2080と同等性能のGPUはミドル~ミドルロー帯のGPU程度になると予想されます。

PS5のGPU性能は、現在発表されている最新のRX6000シリーズの下位モデルの半分

RX 6000シリーズのイメージ画像
上でPS5はAMD社のGPUを採用していることに触れましたが、AMDから実際に同じ設計を用いたPC向けのGPUが発表されています。
そしてその現在発表されているGPUのなかで下位モデルの「RX 6800 XT」のスペックを見ると、72CUのブーストクロックが2,250MHzとなっています。
CUというのはAMD社製のGPUの演算ユニット数の単位で、MHzはその演算ユニットの速度を表し、この両者の数字で性能が決まります。


これに対してPS5は36CUの最大2,230MHzと、きれいに半分の演算ユニット数にほぼ同クロックの構成になっています。
つまり性能も半分ということです。
FLOPSの数値もRX 6800 XTは20.74TFLOPSとPS5のほぼ2倍の数字となっていますね。
そして現状最上位のGPUはさらに高性能ですので、PS5の性能は既にかなり微妙な位置づけになってしまっています。

性能的に見て、あえてゲーミングPCの値段で表すならせいぜい8~12万円程度

PCゲームのイメージ画像
20万円のゲーミングPC相当というのは、RTX2080がハイエンドGPUであることなどから来ています。
実際にRTX2080がハイエンド時代のPCなら20万円程度のPCもあったでしょう。
しかし、上述したように既に世代が変わり始め、性能はミドル~ミドルロー程度のものになってきています。
ミドルレンジのPCは8万円ほどから購入可能で、どんなに高くても10万円代前半、多くは12万円以内程度になります。
自作PCの場合、余分なパーツを上手く削れば新品5、6万円代で組むことも可能です。

そもそも公称されている性能が出せる可能性は低い

PCクーラーのイメージ画像
PS5の公称スペックは、上で述べた通り最大2,230MHzで動かせることになっています。
しかし、実際はPS5の小さく薄い筐体で2,230MHzで動かすことは難しいと考えられます。
その理由は冷却性能にあります。
ゲーミングPCのような冷却性能がある程度整っている環境でさえ、同設計のGPUが最大2250MHz(ゲーム時は2050MHz)までとなっています。
それをPS5のような環境で同レベルで動かすのは無理でしょう。
PS5のスペック表記でも、最大2.23GHzまで「可変」となっていて、2.23GHzを標準で出せる訳ではないことが暗に示されています。

性能を筆頭に、時代についていけなくなるであろうPS5

旧世代のイメージ画像
PS5などの家庭用ゲーム機は、5年6年と長い期間ハードウェアの刷新がありません。
しかし、PCは1年2年でどんどん世代が進むため、数年も経てば大きな溝が出来てしまいます。
現状でも性能はミドルレンジ並みなので、その差は既に開きつつあります。

1080p144Hzが最低条件になりつつある今、最大120fpsしか出せず、4Kでは60fpsが限界に

ゲームのイメージ画像
数年前まで、ゲーミングPCの最低条件はどのゲームでも60fpsが出せることでした。
しかし、ここ最近はGPU性能の向上により、そこまで高性能なGPUでなくても設定次第で144fpsが出せるようになってきました。
ここにきてGPUの世代も代わり、その傾向もどんどん加速してきています。
また、144Hz対応モニターの低価格化なども加わり、現在の主流は144Hzになりつつあります。


さらに、360Hz対応モニターが登場するなど、どんどん高フレームレート化が進んでいます。
また、現在人気のApex LegendsやFortnite、PUBGなどのバトロワを中心に、競技系のゲームでは特にフレームレートが重要になりますので、144Hz以上を求める人もどんどん増えてくるでしょう。
最大120fpsのPS5では、そういった流れに乗り遅れてしまう可能性があります。


また、GPU性能が大きく上がってきて、WQHDや4Kで144Hzを出すというのも可能になりつつあります。
しかしもちろんPS5程度のGPUでグラフィックを維持したまま高解像度な環境で60fps以上を出すのは無理です。
そもそもこの程度の性能では4K60fpsを出すことすら難しく、グラフィックの調整が必要になる可能性が大きいですが、60fpsに合わせるためにグラフィック設定を落として4Kでプレイというのは本末転倒です。
高画質高グラフィックを求めるならPS5は最悪な選択肢になってしまうかもしれません。

PS5のレイトレーシング機能はおまけ程度

マイクラのレイトレーシング比較画像
PS5はハードウェアでのレイトレーシング機能がサポートされています。
レイトレーシングとは、光の反射を現実世界のように忠実に再現する手法のことで、これによりグラフィックがよりリアルになります。
しかし、PS5のスペック自体が高くないため、この機能が実際に有用であるとは言えないでしょう。


例えば「Watch Dogs Legions」では、XboxやPCでは対応していますが、PS5のみレイトレーシング非対応になっています。
性能的に対応が厳しいのか、開発コストの問題かまでははっきりしていませんが、もし実装出来ても4K+レイトレーシングでは30fpsまで、なんてことになりかねません。
いずれにせよ、グラフィックを追求するのであればPS5を選択することは難しいでしょう。

値段でも性能でもXbox Series X|Sに惨敗、ゲーミングPCには性能で足元にも及ばないPS5

Xbox Series X|Sのイメージ画像
PS5の性能については詳しく解説してきましたが、同時期に発表されている「Xbox Series X|S」と比較するとどうでしょうか。
Xbox Series X|SはPS5と同設計のAMD製のCPU/GPUを採用し、スペックが比較しやすくなっています。

PS5はXbox Series Xと同価格で低性能…

Xbox Series Xは52CU、1,825MHzと、周波数は低めなものの、PS5の1.5倍近い演算ユニットを搭載しています。
浮動小数点演算の性能も12TFLOPSとPS5の公称値の約1.2倍になっています。
PS5の2.23GHzという数値が怪しいことも加味すれば、1.8GHzと余裕のある設計のXbox Series Xと比べるとさらに性能差が開く可能性もあります。
ゲームの開発者からもXboxと比較してPS5の性能を疑問視する声も上がっていて、両者間で大きな差が出来てしまっていることは明白でしょう。
Xbox Series XはPS5と同じく$499で、同価格であるにも関わらず、大きく性能差が空いてしまっています。

Xbox Series Sは性能も低めだが、低価格で求めやすい

Xbox Series Sは、20CUと演算ユニット数は少なめになっています。
しかし、価格は$299とぶっちぎりで安いです。
競技系のゲームでは、Xbox Series Sで120fpsが出るように調整される可能性も十分にあるため、少しでも高グラフィック、高性能を求める必要のない人にとってはベストバイな選択肢になるでしょう。

まとめ

PS5のイメージ画像
PS5は、PS4と比較すれば高性能ではありますが、あまり魅力的な商品とは言えない結果になってしまいました。
Xbox Series X|Sと比較して、性能でも価格でも中途半端な立ち位置になってしまっているPS5。
PSシリーズ信者でなければ、この機会に高性能なゲーミングPCや、性能でも価格でも魅力的なXbox Series X|Sデビューしてみるのもおすすめです。
もちろんPCやXboxとの比較を抜きにすれば、PS4からは十分にスペックアップしていますので、PS5を選んだとしても問題はありません。
あくまで比較したときに微妙に見えてしまうという話ですので、PS5を買いたいという人は、安心して購入するようにしましょう。


しかし、PSシリーズのみならず、Switchしかり、初期モデルは何らかの不具合があることが多いですので、特に今すぐ必要でないという方は様子を見るのがいいでしょう。