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PS4より高性能!M1搭載iPad Proがスマホゲームの新時代を切り開く?GTX 1050 Ti超えの実力とは。

M1チップ
2021年5月21日、ついにM1搭載のiPad Proが発売されました。
M1チップと言えば、昨年初めてMacbook Airに搭載され、従来のMacを大きく上回るその性能の高さが話題になりました。
そしてそのM1チップがなんとタブレットであるiPad Pro 2021に搭載されるということで大いに盛り上がりを見せています。

今回はそのM1チップがiPad Proに搭載されたことで、スマホゲームのレベルが一気に上がるのではないかという話をしたいと思います。

M1チップはPS4、GTX 1050 Ti以上のグラフィック性能!

M1チップイメージ
見出しの通り、M1チップはゲーム専用機であるPS4はおろか、ゲーム向けのグラフィックボードであるGTX 1050 Tiの性能をも上回るグラフィック性能を有しています。
そして話題の通りCPU性能もトップレベルです。
つまり、理論上タブレットでPS4やローエンドのゲーミングPC以上のゲーム体験が得られるということです。

GTX 1050 Tiの性能がどの程度かというと、

  • Overwatch(低設定) 170fps
  • Fortnite(低設定) 144fps
  • Rainbow Six Siege(低設定) 100fps
  • PUBG(低設定) 90fps
  • Apex Legends(低設定) 60fps

と、重量級のApex Legendsでも60fps、軽量なゲームであれば100fps以上も簡単に出せるレベルの性能です。
勘違いしないでください、これは「PCゲーム」の話です。

つまり、それ以上の性能を持つM1チップがのることで、理論上例に挙げたような有名なPCゲームをプレイできるということになります。
M1チップがついにPCゲームとスマホゲームの垣根を破壊してしまうかもしれません。

【5月21日追記】
予約していたiPad Proが届いたので実際に軽く触ってみましたが、スマホゲームレベルでは何をやっても快適でした。
お絵描きソフトで塗りつぶしの速度やペンの追従性も試してみましたが、塗りつぶしは一瞬でペンの遅れも一切ありませんでした。

本当に素晴らしいの一言です。

しかし現状では課題や問題点も多い

問題点
M1チップは破格の性能を誇る素晴らしいSoCなのですが、いくらSoCが素晴らしくても問題点はまだまだ多い現状です。
いくつか考えられる課題や問題点を解説したいと思います。

メモリ容量、アクセス速度に難がある

実は、ゲーム性能は単純なGPUの処理速度だけでなくメモリ容量や速度が大きく関わってきます。

通常外付けのGPUなどには通常のメモリよりもアクセスが早いVRAMと呼ばれるメモリを搭載しています。
M1チップにVRAMがどの程度あるかは定かではありませんが、たとえ搭載されていても数百MB程度だと思います。

しかし、PCゲームの多くはメモリを数GB~10GB以上使うものもあります。
メモリの容量が少ないとグラフィックにダイレクトにかかわってくるテクスチャの品質を上げることが難しく、のっぺりとした解像度の低い画になってしまいます。

iPad Proは最大16GBのメモリを搭載していますが、20万円以上の上位モデル以外は8GBのため、まだまだPCゲームレベルに十分なメモリが普及するとは言い難いでしょう。

PCゲームをそのまま移植してくることは難しい

使用しているゲームエンジンにもよりますが、基本的にスマホとPCでは全くアーキテクチャが違うためそのままコードを移植するというのは難しいことが多いです。
また、移植自体は可能でもスマホゲーム向けのチート対策なども行う必要があります。

PUBGやCoD、Apex Legendsなど、別会社に完全委託でモバイル向けのゲームを作る例はしばしばありますが、フォートナイトのように多プラットフォームに移植、最適化を行いクロスプレイを実装する例はまだまだ少ないのが現状です。
ですので性能自体が上がっても、そういったコストのかかる課題に各ゲームがどう対処するかで結果が変わってくると思います。

ただしこれはあくまで現在あるPCゲームの話ですので、新規で出てくるゲームはプラットフォーム間の差を埋めるゲームが増えていくのではないかと予想しています。
現状でも、PS4(PS5)とPC、Switchのクロスプレイが可能なゲームも増えてきています。

まとめ

M1チップがスマホ(正確にはタブレットですが)の性能を押し上げた事実に間違いはありません。
今後、他のスマホやタブレットがM1に追従していくことでPCゲームをスマホでプレイすることも夢ではありません。
ゲーミングPCがなくても本格的なゲームが出来るようになる日も近いかもしれませんね。

ただし現状課題も沢山あり、そういった課題にどう対処していくのかが鍵になるでしょう。

いずれにしても数年後にはフォートナイトのようなクロスプラットフォームのゲームが増えていることは間違いないでしょう。