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教科書の原則デジタル化は一気に進みすぎ?デジタル化には意外な落とし穴も。メリットデメリットを考察。

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本日、平井デジタル改革担当大臣が「何冊も抱えて移動するよりはパソコン1台のほうがいい。効率性を考えたときにプラスだ」として、教科書を原則デジタル化するという考えを示し大きな話題になっています。

教科書をデジタル化することによるメリットというのはいくつも上げられますが、しかしそれに対してデメリットというのも少なからず存在します。

今回はそのメリットやデメリットを上げ、デジタル化をどう進めればいいかを考えたいと思います。

 

デジタル化のメリット・デメリット

電子書籍のメリットとデメリットを解説しまくる|遠藤 暁/Satoru Endo|note

デジタル化については様々な面から考察する必要があります。ですので、まずは複数の角度から見たメリット、デメリットをメリットを順に見ていきたいと思います。

 

デジタル化のメリット

教科書の持ち運びがとても楽になる

まず一つ上げられるメリットは、平井大臣が言うように何冊もの教科書の持ち運びが不要になることで移動が楽になることでしょう。配布プリントなどの教材全てをデジタル化することによってランドセルや教科書を入れるための通学カバンが不要になる未来もあり得るかもしれません。

 

教科書の表現出来る幅が広がる

ひと通りの種類が揃ったグラフ・チャートのフリーベクター素材 | NxWorld

紙の教科書では表現に使用できるのは字と図だけでした。それがデジタル化すれば表現の幅は一気に広がり、映像や音声を連動させたりということも可能になります。

例えば、数学などのイメージしづらい問題などをグラフを動かすことによって分かりやすく説明出来るようになります。ほかにも物理では例えば自由落下する物体の動きをシミュレートすることで理解を助けたり、化学では結晶や分子の結合を3Dで様々な角度から見ることも出来るようになります。英語のリスニングを埋め込めばCDを用意することなく簡単に聞けるようになります。

特に理系科目では理解できずに挫折してしまう人も多いので、イメージがしやすくなることで多くの生徒の理解を深め、苦手意識をなくすことは間違いないでしょう。

 

書き込みや資料作成などが容易になり、書き込みの修正なども可能になる

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電子書籍として教科書を使用することで、重要な部分に線を引いたり教科書に書き込みをする作業が楽になります。グラフや表なども簡単に作成、編集が出来るようになるでしょう。

また、学校ではしばしば先生が指示間違えることもあり、ペンで書きこんでしまうと消せなくなってしまいますが、デジタルであれば間違えたときに前の動作に戻ったり書き込みを消したり出来るため容易に修正が可能です。

 

クラウドにバックアップをすることで紛失などの心配もなくなる

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クラウド上に書き込んだデータやノート、資料などをバックアップしておくことで、例えばエラーでデータがすべて消えてしまったり端末の故障で取り出せなくなってしまってもデータ紛失の心配がなくなります。

皆さんもプリントをなくして怒られたり、テスト範囲や宿題のプリントがなくなってしまったりした経験があると思いますが、そういう心配がなくなるのは大きなメリットといえます。

ただし、宿題を「やったけど家に忘れました」という言い訳も使えなくなりますが(笑)。

 

教科書に間違いがあった場合や変更があった場合の修正が可能

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皆さんも一度は経験したことがあると思うのですが、たまに教科書の内容に間違いがあることがありますよね。紙の教科書では発行してから発見された間違いは修正することが出来ないのでたまに修正内容を記した紙が挟まってたりすることもあります。

しかしデジタルであればそういったミスは発見次第変更することが可能になります。

ほかにも社会などでは発行後に数値などが更新されて実際の情勢とずれてしまっていることなどがありますが、そういった場合の修正も可能になります。

 

デジタル化のデメリット

常にディスプレイを見ることになるため、視力低下や体調不良の恐れがある

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デジタル化するということは教科書を使用する際常にディスプレイを見続けなければならないということになり、視力が低下してしまう可能性があります。もちろん紙ならば視力が落ちないというわけではないですが、ディスプレイから発せられるブルーライトは実際に眼の疲労を促進させ、視力低下に繋がる可能性はあるようです。

また、VDT症候群など目や体調に悪影響を及ぼす恐れもあります。

 

痒い所に手が届くソフトウェアがない

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さて、私はこれが最大のデメリットだと思うのですが、デジタル化のメリットを最大限活かすためのソフトウェアが現状存在しないというのが大きな問題だと思います。

例えば電子書籍に書き込むにしても一度pdfに変換しないといけなかったりしますし、3Dのグラフに書き込んだり映像に書き込みを同期させたり…考え出したらきりがないですが、そういった機能を使いやすく提供してくれるソフトウェアというのはなかなかないでしょう。

どんなに可能性を秘めていても、それを活用する手段がなければ意味がありません。

 

ハードウェアの故障などがあった場合教科書が使えなくなる

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例えば机から落として画面を割ってしまったりしてタブレットが使えなくなってしまうと、修理している期間教科書が使えなくなってしまうという問題があります。

当然教科書がなければ授業も受けられませんし自宅での学習や宿題なども出来なくなってしまいます。

 

 

流し読みや斜め読みなど、雑に読むには向かない

紙の教科書であれば、パラパラとめくりながらざーっと内容に目を通すなどをすることが可能ですが、電子書籍になるとページめくり自体は出来ますが、流し読みはやりづらくなってしまいます。

その必要性があるかどうかということについては置いておいて、今まで出来ていたことがやりづらくなるというのはデメリットとしてあげられるでしょう。

 

デジタル化はどのように進めるべきか

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時代の流れに沿ってデジタル化していくというのはもはや止めようがないでしょう。デメリットがあるならそれをどのように対処するかを考えるべきです。

ですので、上で言及したメリット、デメリットをもとに、どのようにして教科書のデジタル化を進めればいいのかを考えます。

 

紙の教科書と併用出来るようにする

そもそもいきなり全てをデジタル化するというのはやりすぎだと思います。紙の教科書を学校に置いておき、どちらでも使えるようにするという対処は必須ではないでしょうか。

実際に導入して見えてくる課題というのもあるでしょうし、いきなり全てを完璧に把握して対策するというのは無理でしょう。ですから併用にするというのはとても大事です。

その上で、デジタルの課題を一つ一つ潰していく必要があります。

 

ブルーライトカット機能を採用する

まず避けられないのが視力や体調不良に関する対策です。これは、ブルーライトを軽減することである程度は抑えられると考えており、そのために配布するタブレット自体にブルーライトカット機能を搭載する必要があります。

 

デジタル庁主導で使いやすく必要な機能を備えたソフトウェアを開発する

次にソフトウェアの問題です。これは絶対にオリジナルのソフトウェアを作成すべきといえます。

サードパーティのソフトウェアに頼ってしまうと実装したい機能が使えなかったり、望まぬ仕様の変更が発生したり、システムのダウンや開発終了など様々な要因によるイレギュラーに対応するのが難しくなります。

自らが主導して開発することで細かい対応も可能になりますし、時代や状況に合わせて発展させていくことも可能です。

 

学校側で貸し出しできる予備機を用意する

タブレットが故障してしまった生徒に対応するために、貸し出し用端末を用意しておく必要があります。

クラウド上にデータさえ保存しておけば端末を変えてもデータがなくて困るなどの事態は発生しないので、貸し出し用の端末があれば問題なく勉強を進めることが出来ます。

 

まとめ

評判の良いタブレット学習・タブレット教材を比較|働くママプラス

今回あげたメリット、デメリット以外にも多くの課題があります。急ピッチでデジタル化を推し進めることは悪くはないですが、それに起因する問題にもしっかりと対処しなければやらないほうがよかったとなってしまい兼ねません。

生徒のことをしっかりと考え、丁寧に対応していくことが必要になるでしょう。